現在最も使われている塗料のひとつ。塗料メーカーや品番によっても異なるが硬度は比較的硬い。塗膜は厚吹きができるので厚いものも多い(ワックスポリは薄く吹くと硬化不良を起こす恐れがある)安価なものから高級品まで幅広く使われている。材料の良し悪しをあまり選ばない。中塗りにはポリサン、上塗りにはワックスポリ、またはノンワックスポリのクリヤーが使われる。作業性は極めて良く、対候性、耐薬品性、耐熱性にも優れる。『ガラス』のような光沢が得られるが、若干濁る。量産品向き。アコースティク ギターには不向きな塗料。個人的には大嫌いな塗料。(臭いが特に嫌い)天板やテーブルでも吹いていればいいと思っている。私はギターに使う塗料だとは思っていない。ただ,傷もつきにくく大量生産向きなので,手に入れやすい最初のギターとして,底辺拡大のためには必要かな..........。
大量の数をこなす事ができ、リスクの少ない塗料である。但し取り扱いには注意が必要。生地研磨にあまり気を使わなくても良い。
完全硬化が早いので音の立ち上がりは良いと思われるのだが,それにもまして...........。
ポリエステルと間違えないように、ここからはウレタンと呼ぶ。下塗りから上塗りまで幅広く使われ種類も多く比較的高級品に使われ、材料の良し悪しがわかり易い。下塗りにはウッドシーラー、ヤニ止めシーラー(Vローズ)等が使われる。中塗りには、ウレタンサンディングシーラーが使われる。(シーラーSealerとは被塗膜面の孔を埋めるために用いたり、次に塗る塗膜との密着を良くする等の役割がある。フィーラーFillerは目止め材なので混同しないこと。)着色、クリヤー等幅広い。多少硬化時間がかかるが、作業性、対候性、耐薬品性、耐熱性にも優れ透明度の良い光沢が得られる。中高級品向き。ただし下地から上塗りまでウレタン(ポリサンを使わない)をつかった場合、目やせを起こし易いので注意が必要。アコースティク ギターにも使われるが厚くならないように注意する事。
泡を吹きやすくたれ易いので,吹き方には熟練が必要であろう。吹き方では1番難しい塗料。薄く吹けるがサンダーでオーバーサンドしないように注意が必要!!生地研磨によって仕上がりが大きく左右されるので、生地研磨は慎重に!
完全硬化には1週間ほど必要、(私が使っている塗料の場合)その後木をあまり締めないので音は良くなると思われる。
ラッカーで塗装されたギターをスタンドに立てかけておくと、黒くベトベトになってしまうことがある。これはスタンドのゴムとラッカーが化学反応を起こしてしまうからだ。ラッカーは一見乾燥しているように見えるのだが、完全硬化するには半年以上かかってしまう事が多いし、耐薬品性に問題があると言える。夏の暑い日に、車の中にギターを長時間置いておくと、火ぶくれを起こすことがある。対候性、耐熱性が悪いからだ。作業性も悪い。サンディングシーラーは研磨剤が入っているのでよいのだが、クリヤーラッカーは肉づきも悪く、研磨性は極めて悪い。研磨紙が絡んですぐに切れなくなってしまう。一見問題だらけのラッカー、しかしオールドと呼ばれるギターのほとんどがこの塗料を使っている(その当時ウレタンがなかった?)魅力あふれる塗料でもある。その一番は素材のよさを生かしてくれること。適度な硬度は木の持つポテンシャルを妨げないだけでなく、鳴りの良い楽器へと導いてくれる。またクラッキングと呼ばれる独特なひび割れ現象を起こす。程よく吹かれたラッカーはこのクラックが非常に綺麗でもある。近年この現象を塗装不良と勘違いするユーザーが多いのは一寸悲しい。このクラックが起こることにより木を締めすぎないと考えるのは、私だけではないと思う。ポリやウレタンではあまり触れなかったが、目やせも独特だ。目やせとは木の導管等に合わせて塗料が沈むことで、適度に吹かれたラッカーは木そのものの状態へと変化する。まさに木と一体化する塗料と言える。一部の良心的なカスタムビルダーや、ギターを愛するユーザーはこの目やせを美しいとさえ感じる塗料なのだ。ユーザーの皆さんが一寸気をつけて扱ってもらえれば最高の塗料と言えるのではないだろうか?
生地研磨の形状がそのまま形に現れると思ってよいので、生地研磨は傷、打痕、ぺーパーサイン等慎重に!
完全硬化には半年ほどはかかってしまうので、音の立ち上がりには不満を感じる場合があるかもしれないが、完全硬化後は楽しみだ。
さりとて、ラッカーは魔法の塗料ではない!!木そのものが持つ能力を妨げにくいのであって、全ての材に好結果をもたらすのではない。ポリのほうが好結果をもたらすこともあるので誤解の無いように。
これらの事柄は順次改定、補足していく予定ですが、すでに過去の塗料になろうとしています。それは、シックハウス症候群とか、シックスクール症候群と呼ばれる問題を解決しなくてはならなくなってきているからです。これからは対策済みの塗料を取り上げたほうが良いでしょう。
ギター塗装に使われる塗料は、建築用塗料の一部でしかありません。又建築用塗料のごくわずかな量しか使われておりません。その建築用塗料は、建築基準法、ならびに厚生労働省の化学物質の指針値などで、大幅に使用が制限されます。トルエン、キシレン、スチレン、ホルムアルデヒドなど十数種の化学物質が対象です。現在塗料メーカーは研究を重ねているようです。≪ F ☆☆☆☆ ≫表示の塗料はこの規制値をクリヤーしており、使用制限がありません。ギターもこの塗料を使わざるをえなくなるのは明白な事実であり、お客様の健康等を考えるとき、メーカーも塗装に携わるものとしてもできる限り早急に新しい塗料に替えなくてはならないでしょう。 2006年(正確な年月日は判り次第更新)までは移動できるもの、持ち運びできるものは規制対象外ですが。
私は近々完全移行を進めてまいります。